紅白見てないや。




いつまでも、よろしく。





――コンコン


「……」


――コンコンコンッ


「………」


――ゴンゴンゴンゴン!!


「…………」


ガラッ


「おいコラッ! 無視すんな!!」
「だって寒いじゃん。別に勝手に入って良……つーか入るなら早く!! 激寒!!」
 はコタツ布団を引っ張りながら窓から進入してきた隣の家の幼馴染に怒声を飛ばす。
 いわれた三井は幼馴染であり恋人である相手の言い様にムッとしたような顔を見せながら大きい体を屈めて入室してきた。
 ピシャッ
 勢い良く窓を閉めるとようやく部屋の中の暖かい空気を感じることができた。
 そのまま当然のようにコタツに足をいれる。先に入っていたの足にわざと触れると可愛げのない悲鳴が上がった。
「ぎゃあっ! 冷たっ!!」
「俺の部屋、さっき暖房入れたばっかりだからな。外から帰ってきて冷え切ってたから助かったぜ」
「ちょっやめてよ! わたしの足が冷えるでしょ!! うわっしかも人のコーヒー勝手に飲むか!」
「――ッニガ!! ブラックかよ!」
 三井は予想外のコーヒーの苦さに顔をしかめ、カップを乱暴にテーブルに置いた。
 はカップを自分の方へ引き寄せると何事もなかったかのように一口飲み、目の前の人物を馬鹿にするように口の端を少しあげる。
「ヒサってば子供ー」
「うるせぇ! 砂糖ぐらい入れやがれ。も甘いほうが好きだったろうが」
「まぁね〜。でも食後にホットコーヒーをブラックで飲むと痩せるって聞いて、真剣に飲んでたらクセになっちゃった」
 そういってはまた一口コーヒーを飲んだ。それを見て三井は心底嫌な顔をする。彼にしてみたら相当苦かったらしい。
「こんなに美味しいのに……。ミルクと砂糖いれて作ってこようか?」
「いい。基本的に好んで飲みたいもんじゃねぇし」
「あそ。あ、ちょっとチャンネル変えていい?」
「? いいけど、なんで」
 急に話が変わり、三井は不思議に思いながらテレビ画面を見た。
 現在映っている番組は年末恒例紅白歌合戦だ。今赤組の……なんという歌手だっただろうか。とにかくアイドル風の少女が歌の準備に入ったところだった。ちなみにリモコンを探しているためまだ画面は変わっていない。
「なんかみたい番組あったのか?」
「んーん。この人嫌いなの」
「……へぇ」


 歌う短い時間すら見たくないほどにか。


 そうツッコみたい気もしたが、三井としてもよく知らないアイドルが歌っているとこを見てもしょうがないというか、どうでもよかったので流しておいた。
「あったあった。他に適当な番組やってる?」
「さぁなあ。歌なんてそう長くないだろ? とりあえず変えてみりゃいいだろ」
 うん、とは頷きリモコンのチャンネルをポチポチと押していく。コロコロと画面は変わっていくが、特別見たい番組もないらしく結局紅白へと戻った。どうやら我慢していく方向に切り替えたようだ。
「……そういえば、紅白一緒にみるなんて久しぶりだよね」
 リモコンを置いたは三井にミカンを一つ渡しながら言った。小ぶりのおいしそうなミカンを受け取り、皮をむきながら三井は肯定した。
「そうだなー。中学までは毎年こんな感じだったよな」
「坊ちゃん刈りのヒサと並んでねぇ」
「そんな髪型してねぇよ!!」
「あっれぇそうだっけ?」

 そうして話して尽きない話を二人でバカみたいに話しているとあっという間に時間がたち、すでに日付が変わろうとしていた。

「あ、カウントダウン、もうちょっとで始まるよ」
「もうそんな時間か」
「ん。……なんか、ようやく年越しって感じ」
「は?」
 は困ったように笑いながら説明を始めた。
「1年の時と2年の時、ヒサが隣にいなかったからなんか物足りなくてさ。今まで越せてなかったような、ね」
……」
「だから、なんか……長い長い年がようやく越せる。ヒサと一緒に」
 最後の方で、本気の照れ笑いを見せては三井の方にもたれかかった。
 三井も甘えるようにもたれてきたを抱き寄せ画面に映った数字を見た。

























「あけましておめでとう。今年もよろしく」






「バーカ。





今年だけで終わらせねぇからな」